最後に実際にシークエンスされたデータです。
左からTCAGと順番に塩基がかけられていっています。縦は塩基の数を示します。
T、C、A、2個G、6個T、2個A、C、2個Aという風にこのシークエンサーが読み取っていっているのがわかります。
ですので塩基はTCAGGTTTTTTAACAAという風になります。
右は考えられ利点などを僕が考えてみたものです。
たくさんのシークエンスが一度のランでたくさん得られる。ランの時間もたったの4時間です。
シークエンスできる長さに換算すると従来のシークエンスに比べてとても安くなります。
99%の正確性です。サンガー法に比べて劣りますが、使えるレベルです。ホモポリマーのシークエンスは苦手なので少し正確性が落ちているのでしょう。
クローニングの作業がいらないのはとても楽です。300000のクローニングするのはいやです。
断片のどちらの端からシークエンスが始まるかわかりませんし、ブツブツに切ったDNA断片のミックスをサンプルに使うわけですから何が読まれるのかわからない。全部読んじゃえということでしょうか。
ホモポリマーのシークエンスが弱い。極端にホモポリマーが多い配列は気をつけましょう。サンガー法で補輪ないといけないと思います。
各READSは短い。これはゲノムをアッセンブルするには障害になります。なので、ゲノムサイズが大きい生き物のゲノムを全部読むというには使いづらいようです。
参考
Margulies et al., 2005, Nature, 437, 376-380
http://www.454.com/index.asp
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右側がシークエンサーです。
このシークエンサーは、まったく働き方が従来のサンガー法とは違います。
アデニン、(洗い)、チミン、(洗い)、グアニン、(洗い)、シトシン、(洗い)と順番にサンプルに流していくのです。
もし、流した塩基がビーズの一本鎖DNAにポリメレースによって結合反応すると、ルシフェラーゼによって光ります。その光を取り込むことによって、各ビーズの塩基配列を読み取っていくのです。
反応が起こる仕組みは、ポリメレースのDNAの伸長反応の際にでてくる燐酸が使われます。
Sulfurylaseが基質のASPをATPに変えます。そのATPを使ってルシフェラーゼが反応して光を発します。
この仕組みでは、同一塩基が並んでいたら読むのが難しくなります。なぜなら、何個塩基が並んでいるかを光の強さで読み取らないといけないからです。しかし、7塩基くらいまでなら大丈夫のようです。ホモポリマーが7塩基よりも長いシークエンスでは正確でない可能性がかなり高くなります。
参考
Margulies et al., 2005, Nature, 437, 376-380
http://www.454.com/index.asp
こんどはファイバープレートの登場です。
このファイバーはちょうどビーズ一個が収まるくらいの大きさの穴があります。
このファイバーの上に先ほどのDNA断片を固定化したビーズをばら撒くわけです。
そうすると、各穴にビーズが入り込みます。
その後、反応用の酵素がついたビーズを周りに敷き詰めます。
これで、シークエンサーにかける準備は整いました。
ちなみにこのあたりの作業はすべて454のほうでやってもらえるので、
実際にはサンプルDNAを作っておくるだけです。
参考
Margulies et al., 2005, Nature, 437, 376-380
http://www.454.com/index.asp